なぜ高齢者によるプリウスの事故が多いのか?

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2019年4月、池袋で暴走し母子を死亡させた事件。事故を起こした高齢者の車がプリウスだったことで「またプリウスか‥」「なんでプリウスは事故が多いの?」「欠陥品じゃないの?」とネット上で議論の的になっています。

 

この記事では、なぜ高齢者によるプリウスの事故が多いのか?を検証してみます。

 

高齢者がプリウスで事故を起こす原因

1.プリウスの流通台数が多い

単純にプリウスは、国産車の中でもトップクラスに販売台数が多く、新車・中古車含めて一般に広く流通しているため事故率も高くなっています。車の初心者や運転に自信がない方が、燃費の良さとプリウスというネームバリューで購入していることも考えられます。

 

また、プリウスの価格帯は「250万~350万円」と比較的高価であり、若者よりもお金に余裕がある高齢者が購入する車です。

 

事故率は若者のほうが高いですが、プリウスは販売台数が圧倒的に多いことで必然的に事故率が高くなります。

 

2.プリウスだけがニュースになる

流通台数が多いほど事故率が高くなるのなら、アクア、フィット、N-BOXなどがニュースにならないのはなぜでしょうか?これらの車種はプリウスよりも販売台数が上ですが、重大事故のニュースで耳にすることはありません。

 

例えばニュースで「今日午前、N-BOXによるひき逃げ事故が起こりました」とは言いません。この場合は「軽自動車」と報道されます。同じく「アルファードがコンビニに突っ込みました」とは言われず「ミニバン」と報道されます。

 

有名な芸能人が不祥事を起こしたときほどニュースが大きくなりやすいのと同じように、「プリウス」は世間一般に有名になり過ぎたため、ニュースになりやすい、といえます。

 

3.シフトレバーの問題

プリウスのシフトレバーはやや特殊と言えます。一般的なAT車のシフトレバーは上下に動かしますが、プリウスの場合MT車のように上下左右に動かすので誤作動する可能性が高いです。

 

プリウスのシフトレバー

プリウスのシフトレバー。上下左右に動かす必要がある。

 

また、シフトチェンジしてもレバーがニュートラルポジションに戻るため、いまのレンジが[ D ]なのか[ P ]なのかわかりずらいのも事実です。

 

さらに、プリウスには[ Bレンジ ]が存在し、これはバックではなくブレーキのBです。昔マニュアル車を乗っていた高齢者がバックしようと[ B レンジ]に入れて、コンビニに突っ込む原因となる可能性もあります。5速マニュアル車のシフトレバーは、下に入れると[ R リバース ]になります。

 

とはいえコンビニ暴走事故のほとんどは、アクセルとブレーキの踏み間違いですから、このシフトレバーが大きな要因とは考えにくいでしょう。その証拠に、他にもヴォクシー、C-HR、フィット、ヴェゼルなどの人気車種もプリウスと同じシフトレバーが採用されており、シフトレバーだけの問題でもなさそうです。

 

ちなみにプリウスの[ Bレンジ ]はエンジンブレーキのことです。一般のAT車の場合、アクセルを離すとエンジンブレーキが作動し減速しますが、プリウスはアクセルを離しても減速しません。急な下り坂でブレーキを踏み続けると損傷する危険がありますので、プリウスの場合は[ Bレンジ ]に入れてエンジンブレーキを作動させます。

 

4.人為的なミス

プリウスはニュースで大きく取り上げられることがありますが、事故の多くはアクセルとブレーキの踏み間違いや、シフトレバーのRとDの切り替えミスなど、その多くが単純な人為的なミスです。

 

池袋の暴走事故では「アクセルが戻らなくなった」と供述していますが、警察によるとプリウスのアクセルやブレーキに不具合はみつからず「運転手による操作ミス」との検証結果が出ています。

 

以上をまとめると、プリウスによる高齢者の事故の原因は、販売台数が多くニュースになりやすいこと、シフトレバーの問題、高齢者の操作ミスなど、複合的なものといえます。

 

プリウスに「自動ブレーキ」付いてないの?

池袋の暴走事故や、千葉県市原市の公園で遊んでいた保育園児や保育士さんにプリウスが暴走するニュースがありましたが、多くの方が疑問に思うのが「プリウスには自動ブレーキは付いていないのか?」ということ。

 

自動ブレーキがあれば事故は防げたのではないか。たしかにその通りだと思います。

 

2019年現在、プリウスは4代目まで発売されていますが、池袋で事故を起こしたのは2代目プリウスです。2代目プリウスは2003~2011年までに製造されたもので、自動ブレーキは搭載されていません。

 

たとえ搭載されていても100キロ近くスピードが出ていたら、最新の自動ブレーキでもすぐに止まることは不可能です。

 

自動ブレーキ、全車速追従機能などを含む、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が導入されたのは現行の4代目プリウス(2015年~)からです。

 

自動ブレーキは正式には衝突被害軽減ブレーキと呼ばれ、特にスバルのアイサイトは自動ブレーキの代名詞的存在で国産メーカーの中では最も優れたシステムです。一方トヨタの自動ブレーキシステムは他社と比べて劣るとの声も。

 

例えば、以下の自動ブレーキを比較した動画では、トヨタ車の自動ブレーキがうまく作動していないことがわかります。スバル車の凄さが分かる動画でもあります。

 

 

もちろん上記の動画は少し時期が古いので(2016年)、今の技術と比べるのはナンセンスかもしれません。

 

しかし、市原市の公園の園児たちに突っ込んだプリウスは、ニュースで見たところ現行プリウス(4代目)なので、自動ブレーキは装備されているはずですが‥

 

おそらく、センサーが公園の柵を感知できなかったことが原因かと思われます。

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