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ガソリンを使わず電気だけで走る電気自動車。国産で人気なのは日産リーフで、フル充電で約400キロ走行可能です。地球温暖化など環境問題の観点から考えると、電気自動車の普及が待たれますが、ガソリンやディーゼル車と比較すると走行性能、充電時間、充電スポットなどの課題があり、まだまだ一般的とは言えない状況です。
この記事では電気自動車の経済的な面や使い勝手、走りの観点からメリットとデメリットを紹介します。
電気自動車の経済的なメリットとデメリット
電気自動車(BEV・PHEV)の経済的なメリットは、ガソリン代に比べ電気代が9分の1程度という試算があることです。電気自動車のエネルギー効率はガソリン車と比較すると3倍という試算もあり、電気の料金が安い深夜の時間帯に充電すれば、更に安くなります。
ガソリン車と比べて消耗品が少ないので、維持費があまりかからないというメリットもあります。例えば、電気自動車はエンジンを搭載していないので、エンジンオイルやオイルフィルター、クーラントを交換する必要がありません。さらに、タイミングベルトなどベルト類やエアクリーナーのフィルターの交換も不要です。
電気自動車は、回生ブレーキを採用しているのでブレーキパッドの減りが少なく長持ちします。
また、税金面でもメリットがあります。電気自動車は税金が免除されたり、補助金が交付されたりするので、お得です。購入する際に申請すると、国や地方自治体から補助金が出ることもあります。
電気自動車を購入する際に課せられる自動車取得税は、新車では非課税、中古でも45万円も控除されます。車検の時に課せられる重量税は免税、自動車税も減税されます。
一方、電気自動車の経済的なデメリットは、まだまだ車両価格が高いことです。PHEVであっても、同クラスのガソリン車と比較して数十万円以上高く、BEVの車両価格は600万円以上もする場合があります。
主な電気自動車の車両価格は次の通りです。
車種 | 車両価格 |
三菱 アイミーブ | 294.8万円 |
日産 リーフ | 324.3~472.9万円 |
トヨタ プリウスPHV | 326.2~422.3万円 |
三菱 アウトランダーPHEV | 394.0~509.0万円 |
フォルクスワーゲン e-ゴルフ | 499.0~534.9万円 |
BMW i3 | 538.0~644.0万円 |
三菱 ミニキャブ・ミーブ | 176.9~215.0万円 |
このように車両本体価格は高めですが、税金面で優遇されていることもあり、ガソリン車と比べてトータル的な金額はあまり変わりません。ディーラーによっては大きく値引きができることもあるので、経済的なデメリットはあまりない、というのが筆者の見解です。
電気自動車の使い勝手
電気自動車(BEV・PHEV)の使い勝手に関してのメリットは、家庭で充電できることです。
近所の買い物や通学、通勤であれば、1回の充電で往復ができるので、ガソリン車みたいにガソリンスタンドに立ち寄る必要がないです。
さらに、車種によっては、電気自動車から電気を取り出し家庭用電源に使えるといったメリットもあります。災害などで、停電が発生した時でも、電気自動車の電気を家電などに使うことで、ある程度普段の生活ができるので安心です。
一方、電気自動車の使い勝手に関してのデメリットは、充電時間が長いことです。
家庭用の普通充電の場合では、満充電に必要な時間は7~15時間程度必要な一方、急速充電の場合だと、80%まで充電する場合は、20~30分程度必要になるのが一般的です。ガソリン車の給油にかかる時間は数分ですので、電気自動車の充電時間はかなり長いです。
また、充電スタンドの少なさも問題です。電気自動車で長距離走行しようと考えると、出先で充電が必要になります。電気自動車を充電するために必要な充電スタンドは全国で2万軒あるといわれていますが、ガソリンスタンドと比較するとまだまだ少ないのが現状です。
また、充電スタンドを利用する際は、登録や予約が必要になる場合があり利便性は低いです。このようなことから、長距離を走行する前には下準備が必要になります。
さらに電気自動車のバッテリーは、走行せずに放置しておくと徐々に放電するデメリットも。電気自動車をたまにしか乗らない人は、いざ乗ろうと思ったらバッテリーの残量が少なくなっており、再充電する必要があります。
ここまでのまとめ
- 家庭で充電できる
- 一回の充電で400キロ走れる
- 災害時に電源として電気を利用できる
- 充電時間が長い
- 充電スタンドが少ない
- バッテリーが徐々に放電する
使い勝手に関しては、近距離であればガソリン車のようにガソリンスタンドに行かなくてもすむので利便性が高いことでしょう。充電時間が長いのが気になりますが、家庭で充電できるのでそこまで気にならないはずです。
電気自動車の走行性能
モーターを搭載している電気自動車(BEV・PHEV)は、低回転から最大トルクが発生することができるので、街の乗りなどでスムーズに走行できるメリットがあります。
更に、電気自動車のモーターは静かなので、車内はとても静かな上、朝夕、ご近所迷惑にならずに、出発や帰宅ができるメリットも。また、エンジンと比較して、モーターは振動が少ないので、快適に走ることができます。
電気自動車の走りに関してのデメリットは、フル充電で走行できる距離がまだまだ短いこと。車種にもよりますが、65~570km程度となっています。
軽自動車でも、1回の給油で、計算上は600km程度走行できる車種もあるので、まだまだ、電気自動車は1充電の航続距離は短いです。
主な電気自動車の一充電走行距離は次の通りです。
車種 | フル電走行距離 |
三菱 アイミーブ | 164km |
日産 リーフ | 322 ~570km |
トヨタ プリウスPHV | 68.2km(EV走行) |
三菱 アウトランダーPHEV | 65.0 km(EV走行) |
日産 e-NV200 | 300km |
フォルクスワーゲン e-ゴルフ | 301km |
BMW i3 | 295km |
三菱 ミニキャブ・ミーブ | 100~150km |
一方、現在、発売されている電気自動車のバッテリーはリチウムイオン電池を使用しています。このリチウムイオン電池は、寒冷地など気温が低くなると、本来の性能が発揮できなくなる場合があるデメリットがあります。
また、このリチウムイオン電池は、エネルギー密度が高いため、誤った電圧の制御をしたり、衝撃を与えてしたりすると、発火や破裂する危険があります。
電気自動車(BEV・PHEV)の走りに関してのメリットの中で大きいのは、低回転から高トルクを発生するモーターによって、キビキビ走れることでしょう。
まとめ
電気自動車(BEV・PHEV)のメリットとデメリットを紹介しました。
電気自動車は国などが普及を推進しているので、補助金や減税などの優遇措置があるメリットは大きいです。さらに、電気自動車はエンジンが搭載されていないため、エンジンオイルなどエンジン関係の消耗品の交換が必要無くなったことで、維持費が安く抑えられたり、手間がかからなかったりするメリットは大きいですね。
ただ、走行距離が短かったり、充電時間が長かったりするといったデメリットは、これからの技術の進歩によって改善が待たれます。
ヨーロッパ諸国は、排出ガスによる地球温暖化など環境問題が深刻に受け止めており、ディーゼル車の都市部への乗り入れを制限する処置が進んで、今後、電気自動車の普及は加速すると考えられます。
これから、電気自動車を購入しようとする人の参考になれば幸いです。