自動車保険の等級制度(ノンフリート)について

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自動車保険の「等級制度」についてわかりやすく解説します。

 

自動車保険を契約する際によく話題になる「等級制度」。等級制度とは何なのか、どんな等級があるのか、保険料にどんな影響があるのか。

 

保険料を安くするためには、できるだけ割引制度を使いライフスタイルに合わせた補償内容を考えることが大切です。そこで今回は自動車保険の等級制度について説明したいと思います。

 

自動車保険の等級制度とはなに?

 等級制度は「ノンフリート等級制度」とも呼ばれ、事故歴に合わせて保険料の割引や割増をする制度のことです。覚えておきたい大切なポイントを見ていきましょう。

 

等級は120等級の20段階

 等級制度は120の20段階で設定されています。それぞれの等級により割引や割増率が異なりますが、初めて契約するときは6等級からスタートします。

 

他社の自動車保険から乗り換えた場合、等級を引き継ぐことができますが、その都度6等級になるわけではありません。契約条件によっては7等級から始まる場合もあります。

 

等級は上がっていく

 等級制度は1年間保険を使う事故がない場合、翌年になると等級がひとつ上がります。6等級でスタートした人が無事故で保険を使わなかった場合、翌年は7等級に上がるということになります。

 

等級と割引の関係

 保険料の割引率は等級が高いほど大きくなり、数字が小さいほど割引率が低くなります。13等級に関しては割引がなく割増になるのでご注意ください。しかし、場合によって前契約がない時は年齢条件で6等級や7等級でも割増になる場合もあります。120等級のなかで一番割引率が高いのが20等級です。

 

事故を起こして保険を使うと等級はどうなる?

 等級制度は1年間保険を使う事故を起こさなかった場合に等級がアップしますが、もし事故を起こして保険を使うとどのように等級制度に影響を与えるのでしょうか。

 

自動車保険を使うと等級がダウンする

 事故を起こし自動車保険を使うと、基本的に「3等級」ダウンします。たとえば他人の車との衝突事故や、電柱などにぶつかる単独事故などでは、次年度の保険契約の等級が3つ下がります。10等級の人なら7等級になるということです。

 

ノーカウントになることも

 事故がすべて3等級ダウンになるとは限りません。たとえば台風や火災により、車が盗難にあった、落下物により窓ガラスが割れた場合などは等級制度で「1等級ダウン」になります。

 

また、「弁護士費用等補償特約事故」や「ファミリーバイク特約事故」などの場合は、翌年の等級には影響を与えずノーカウント。事故の種類によって等級ダウンは異なりますが、支払い保険金は自動車保険の等級制度とは関係なく支払いがされます。

 

同じ等級でも保険料が変わる場合

 同じ等級なら割引が一緒になると考える人も多いでしょう。しかし等級だけで保険料の割引率が決定されるのではなく、無事故と事故ありも影響しています。当然、無事故のほうが保険料が安くなります。

 

事故あり係数適用期間について

 事故ありといわれてもいつの事故まで対象になるのでしょうか。割増や割引を適用する期間については「事故あり係数適用期間」呼ばれます。

 

この期間は06年と幅が広く、たとえば事故で自動車保険を使った場合は、下がった等級で次年度から事故あり係数が適用されることになります。

 

一例をあげると、

  • 3等級ダウン事故は翌年から3年間
  • 1等級ダウン事故は翌年から1年間

 

この期間が「事故あり」として保険料が適用されます。

 

等級ダウンしてから等級アップするまで

 たとえば、15等級の人が3等級ダウンした事故を起こした場合、翌年から12等級で3年間契約をすることになります。この3年間無事故であれば15等級に戻ることができます。

 

まったく無事故の15等級の人ならば4年後は順調に19等級に上がることになりますので、事故を起こすと自動車保険で大きな差がつくことがわかりますね。

 

1等級ダウンとノーカウント事故について

 自動車保険の等級制度とは、契約者が安全運転をいつまでも続けるためのモチベーションにもなっています。長期間契約するだけでなく、事故歴を作らないことは保険料を節約することに多大な影響を与えます。

 

事故を起こした場合、基本は3等級ダウンになりますが、1等級ダウンやノーカウントではどのような事故が対象になるか詳しく見ていきましょう。

 

1等級ダウン事故について

 1等級ダウンになる事故は、車両保険と車内身の回り品特約のどちらか、もしくは両方の事故に適用されるものです。

 

具体的な例は火災や爆発、落書きや投石により窓ガラスなどの破損をした場合、いたずらによる車両のダメージ、落下中の他物との衝突、台風や洪水、竜巻、高潮などがあります。これらの事故はあくまでも一例になので詳細は契約した際にもらう重要事項説明書などで確認しておきましょう。

 

ノーカウント事故について

 保険を使っても等級ダウンされないノーカウント事故。翌年の契約で事故なしのように1等級上がるケースです。

 

対象になる具体例では、人身傷害保険、弁護士特約、搭乗者傷害特約、故人賠償特約などが該当する場合はノーカウントになります。

 

新規契約で事故あり期間はリセットされる?

 割増になるのは契約者にとってつらいところ。もし自動車保険を新規契約したら、事故あり期間はリセットされるではないかと考える人もいるでしょう。結論としては、継続せずに新規で契約して事故あり係数適用期間はリセットされません。

 

「他の保険会社に自分の事故歴はバレないでしょ?」と思うかもしれませんが、損害保険会社ではネットワークを使い、契約者の情報交換を行っています。新規契約する場合、契約者の事故歴も確認するので、保険会社を変更しても以前の等級が引き継がれることになるのです。

 

長期契約は等級ダウンを防ぐことができるか?

 自動車事故は誰にでも可能性がありますので、等級ダウンすることも頭に入れて車の運転をしないといけません。自動車保険料は家計にも負担になるほど高額になることもあり、できれば等級ダウンによる保険料の増加は避けたいところ。そんな方にオススメなのが自動車保険の長期契約です。

 

長期契約というのは1年を超える契約で大手の保険会社のなかでは、最長で7年間の長期契約をするところも存在します。長期契約のメリットは毎年の保険料が契約時に決定されるので等級ダウン事故や料金改定されても保険料がアップすることはありません。

 

等級が変わるのは保険期間を更新する時なので、長期契約期間中はこのような料金の変化は心配ないことになります。

 

まとめ

 自動車保険の等級制度は複雑な点も色々ありますが、割引率や割増率などわからないことは、保険会社のカスタマーサービスに問い合わせてして正しく理解しておきましょう。事故に合わないよう十分に注意していても、災害による車のダメージなどどうにもならない場合もありますよね。

こんな時にもあると便利な自動車保険、等級制度についても知っておくと新たに契約する際に参考になりますね。